ーしたたかに老いる(リビングまつやま25.10.26号)

したたかに老い る  老化への戦略

 

関節リウマチの薬物療法の進歩のおかげで、炎症の沈静化は充分に行える時代となりました。しかし、私も早いもので20年近く、リウマチ診療を続けるなかで、加齢の問題に数多く遭遇してきました。関節リウマチにとどまらず、変形性脊椎症、変形性関節症など、日常診療では、人間の平均寿命も長くなってきて、身体能力の喪失感に苛まれるといった愁訴が多くなります。

エイジングに関しては、「老い=失われて行くさみしさ」を1.社会的喪失感2.身体的喪失感としています。

整形外科の診察室では、「年だからしょうがないですね」とか、「神様が、人間の運動器は70年くらいの耐用年数で設計したものだから、耐用年数を越せばガタもきます」が、お決まりのフレーズですね。 また、仕事からはなれ「毎日が日曜日」或は独居の空間に閉じ込められてしまっては、社会的にも心理的にも喪失感が著しい時に老化が加速するようです。

じゃあ、喪失感に苛まれつつも「いつお迎えがきても、、、」なんて弱音を吐かずに「したたかに老いる」戦略をたてねばなりません。伊予弁の「こすい(=ずるい)」は、最近は聞かなくなりましたが、耐性菌をつくる細菌であれ、体を七色に変える昆虫であれ生命であれば、したたかに生きて行く上での戦略をたてています。まずは、神様の重力に抗するために作った人間の耐用年数70年を超えてからの、したたかなる戦略を立てていきましょう。

関節リウマチは、一つの関節のみならず多関節に障害を来す疾患です。長らくリウマチの患者さんと接しるなかで、多関節機能障害を克服して、うまく日常生活動作をこなしていく様子に、ただ敬服とそのしたたかさを見て学び、逆に励まされてきました。運動器疾患の中でのたくさんの関節をわすらうリウマチの治療をベースにこれからの関節疾患の治療モチーフはリウマチをベースに考えていってよいのではないかと考えています。リウマチの治療デザインはユニバーサル(普遍的な)デザインですね。

関節はその中の関節滑膜によって関節軟骨に栄養を与えます。その循環する血液量はダイナミックな量と様々な免疫にも関与しています。「うごかなさすぎ」と思える程、運動不足によって、関節が拘縮(かたまり)していきます。いつまでも関節を活動させ美しく舞い、躍動する運動器を保ちたいですね。モチベーションを高めながら、したたかに老いていきましょう。

老化はスポーツだ!がんばっていきまっしょい !!

 

「院長ブログ yamada-rc/blog」より一部抜粋

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